「現代アートと出会う日」展が6月26日から3日間、デザインホテル「The Blend Inn」(大阪市此花区梅香1)で開催される。
各アーティストがホテルの客室を1室ずつ使い、作品を展示する同展。コロナ禍でアーティストの展示機会が減少し、ホテルも休業を余儀なくされているのを見かね、アーティストの吉見紫彩さんと、ビジネスマンの牧野圭さんが企画を立案した。
展示会は、少人数入場入れ替え制を取り入れ、3密を避けて開催する。各日10回で、1回当たり約1時間。定員は各回約10人。予約優先で、ワンドリンク付き。入場料収入の50%をホテルへ寄付し、作品売り上げの全額を作家とホテルに分配するという。
「『現代アートってよく分からない』という方にこそお楽しみいただきたい」と吉見さん。スタッフが作品背景や鑑賞の一例を説明しながら案内するツアーや鑑賞レクチャー、オンラインギャラリートークなど、現代アート初心者向けのコンテンツを多数用意する。作品は1万円~10万円程度のものをそろえ、初心者でも手に届きやすい価格を意識した。出展者は、国内外で活躍する若手現代アーティスト7人を招待。絵画や写真のほか、テキスタイル、セラミックアートなどジャンルも多岐にわたる。
展示客室には宿泊することも可能。吉見さんは「気に入った作品たちをいきなり購入して部屋に飾るのはなかなか勇気のいること。まずは、『アートに囲まれて時間を過ごすこと』を、『ホテルという、自宅のようにプライベートな時間を過ごすことができる空間』で体験していただければ」と話す。続けて「展示客室に宿泊していただくことで、何時間でも気に入った作品と一緒にお過ごしいただくことができる。ここが『アートと出会う日』と名付けた由来でもあり、通常のアート展との一番の違い」とも。
オンライントークイベント・講演会も開催。「アート思考って何?」「抽象画の見方って?」という鑑賞レクチャーから「アートを買ったビジネスマンはなぜ、どのように購入したの?」など、これからアートを楽しむ人向けのトークテーマを用意する。
吉見さんは「見に来てくださる皆さんが加わって初めて完成する。正解はない。難しいこともなるべくないようにする。どうぞ気軽に、あなたのアートに出会いに来てもらえれば」と呼び掛けた。
2017(平成29)年3月に開業した同ホテルは、建築家・島田陽さんが設計したデザインホテル。1階にラウンジやシェアキッチン、2階に全9室の客室を設ける。
開催時間は10時~20時。入場料は1,000円(高校生以下無料)。今月28日まで。