海遊館(大阪市港区海岸通1)の雄のワモンアザラシ「ミゾレ」が4月1日、1歳の誕生日を迎えた。
この日の朝、「ミゾレ」は「北極圏」水槽で約10人のファンが見守る中、飼育員から誕生日ケーキに模した氷をプレゼントされた。氷は直径約20センチで、「ミゾレ」の顔や「1」の形をしたイカナゴをデコレーションした。「ミゾレ」は初めて見る氷のケーキに興味を示しながらも戸惑った様子で、食べずに泳いでいる隙に、食いしん坊の「ユキ」(雌)が横取りしてしまう一幕もあった。
「ミゾレ」は、母親「アラレ」と父親「モヤ」の間に生まれ、同館で初めて繁殖に成功したワモンアザラシ。出生時の全長は55センチ、体重2.44キロ。出生直後に低体温や低血糖の症状が見られたため、生後51日目まで飼育員が24時間体制でケアをする完全人工哺育(ほいく)で育てられた。昨年8月18日より「北極圏」水槽で一般公開されている。現在は健康状態も良く、全長78センチ、体重は27.7キロまで成長した。
生まれた時にも立ち会った飼育員の竹内慧さんは1年を振り返り「命がままならない状態で生まれ、今、生きていること自体が奇跡。まだ子どもだが、一人前のアザラシに成長するのを見守りたい」と話す。島本町から訪れ、水槽デビューの日にも駆け付けた村川真弓さんは「元気に1歳を迎えられてうれしい。生き生きしたミゾレから元気をもらえる。これから成長する姿が楽しみ」と話す。
同日から予約販売を開始した出生時の体長や体重を再現し、飼育員が監修した「ミゾレぬいぐるみ」は即日予定数に達した。誕生から約1年間の成長を飼育員やスタッフが撮影した写真で紹介するフォトブック「ミゾレ~ワモンアザラシの成長記録~」(1,980円)も完売し、後日再販を予定する。
「ミゾレ」へ氷の誕生日ケーキのプレゼントは、4月2日・3日(各日14時20分から約10分間)にも行われる。