「鴻池組旧本店」(大阪市此花区伝法4)が4月20日・27日の2日間、一般公開される。
1910(明治43)年に建設された鴻池組旧本店は、大正期に流行したセセッション様式の洋館に大阪の伝統的な町家の和館を併設した建物。建設会社「鴻池組」(同中央区)の創業者・鴻池忠次郎が事務所兼居宅として計画し、洋館を1968(昭和43)年まで本店として使用していた。今春、国の登録有形文化財に登録されることを記念し、初めて一般公開する。
建築面積は、洋館=90平方メートル、和館=154平方メートルで、いずれも木造2階建て。洋館は、モルタル塗りの外壁にタイルでボーダーラインのデザインを施す。館内の応接間はアールヌーボー様式の装飾を取り入れ、玄関ホールはクジャクとバラをモチーフにしたステンドグラスで飾る。和館は、出格子や大戸、しっくいの壁、袖うだつなどを備えた町家の構え。完成当時、伝法川に面していた建物南側は数寄屋の意匠で、室内の欄間や階段親柱などに繊細な彫刻を施している。
見学は事前申込制。約50分のガイドツアーを4月20日・27日の各日5回行う。新型コロナウイルス感染症対策として、1回につき10人までに入場を制限する。応募多数の場合は抽選となる。
参加無料。申し込み締め切りは3月16日。