2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に出展する日本政府のパビリオン「日本館」の起工式が9月11日、開催地の夢洲(大阪市此花区夢洲)で行われた。
開催国としてプレゼンテーションの拠点となる「日本館」は、「循環」や「いのち」をテーマに掲げる。二酸化炭素や廃棄物が循環する技術や仕組みを展示し、来場者に「循環型社会」を体験してもらう。地上3階建てで、延べ床面積は約1万1300平方メートル。2025年2月末の完成を目指す。会期終了後は、建物に使用した木材(CLT=直交集成板)は地方自治体や企業で再利用する。
起工式には、中谷真一経済産業副大臣、2025年日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長、大阪府の吉村洋文知事など関係者や来賓ら70人が出席。中谷副大臣は「来場者自らが他の命とのつながりや循環の中で生かされていることを認識し、持続可能な問題を自分たちのものとして考えるような行動変容を促すパビリオンを目指している」とあいさつ。工事の安全を祈願し、くわ入れを行った。
日本館総合プロデューサーを務めるデザイナーの佐藤オオキさんは、パビリオンの展示内容について「日本館をごみ処理施設にしたい。万博会場内で発生する生ごみ1日約1トンをバイオマス発電で分解して、水や電気、CO2などに変換し、そのエネルギーを再利用しながら展示物として見せていく。ショーケースの中で展示するのではなく、本当の意味で生きているパビリオンにしたい」と構想を語った。