船の大きさは、全長160メートル、幅25メートル、重さ2万トンの4階建て。近くで見ると迫力満点だ。船の出港までは、建築家の安藤忠雄さんが設計した「大阪港国際フェリーターミナル」で待つ。
船の中に1歩入ると、広くて開放的なロビーがある。免税店「LOTTE DUTY FREE」や、日本円・韓国ウォンどちらの購入も可能なコンビニ「GS(ジーエス)25」のほか、子どもが遊べるキッズスペース「I‐dream」、自販機、ダーツゲームなど、さまざまな施設を用意。
部屋の種類は「スタンダードA」、「スタンダードB」(ともに片道1万3千円、往復2万円)「ファミリールーム」(片道1万9千500円、往復3万円)、「デラックススウィートルーム」(片道2万5千円、往復5万円)、「ロイヤルスウィートルーム」(片道8万5千円、往復17万円)の5種類で、1階と2階の全123室。記者が宿泊した「デラックススウィートルーム」は、歯ブラシやクシなどのアメニティが充実。ホテルのように綺麗な部屋だ。最上級の「ロイヤルスートルーム」には、お風呂の中にテレビがあったり、部屋が2つあったりなど高級感の漂う部屋となっている。
1階のアロマの泡風呂「Therapy House」は、予約制で女性やファミリー向けに提供。アロマの香りや、キャンドルに癒されながらゆっくりとお風呂を楽しむことが出来る。コーヒー・お茶も提供。営業時間は16時~24時。そのほか、サウナ、水風呂、シャワー室、大浴場など4種類のお風呂が楽しめる。営業時間は乗船後~23時、5時~9時。
2階の「デラックススウィートルーム」「ロイヤルスウィートルーム」を予約した人だけが使用できる休憩室「Cruise Lounge The PARADISE」では、コーヒー・お茶を無料で提供するほか、マッサージチェア、パソコン、本なども用意。席数は約20席で、夜はバーにもなる。ゆったりと船の旅を楽しみたい人には最適な場所だ。営業時間は16時~22時、6時30分~8時。
大きな窓から見える海が絶景の「操舵室」。乗客の安全運航が守られている場所だ。船長の李在珠(リージェス)さんは「パンスタードリーム号の安全を10年間守り続けてきた。これからも安全運航を心掛けていきたい」と話す。
食事はバイキング制で1階のレストランで楽しめる。約30種類の日替わりの料理が並び、カルビチムや、キムチマリ冷しそばなど韓国特有の辛い味付けを施したものが多く見受けられる。レストランは約100~120人が収容可能。夕食は18時30分~19時30分。朝食は7時30分~8時30分。食事が終わるとレストランの中央にあるステージで毎日、のど自慢大会やマジックショーなどのイベントを開催。MCの発言で笑いを誘う場面も。
3階のカフェ「夢」では、ビール(5,000ウォン)や梅酒(8,000ウォン)などのドリンクや、チキンウィング(2万ウォン)、韓国風かき氷パッピンス(8,000ウォン)などの軽食を提供。夜はバーになり、ミニステージでミニライブを開催。この日は、リクエストした曲をムーディー調で歌ってくれるミニライブが行われ、曲を歌い終わるごとに大きな拍手が会場を包んだ。営業時間はカフェが7時~8時30分。バーは16時~22時。
釜山行きの船の道中に、日没間際に明石海峡大橋の下をくぐった。橋の下はなかなか見ることが出来ないので、貴重である。夏の間は日没までの時間が長いため小豆島も見ることが出来る。
案内してくれたパンスタードリームを運営するサンスターライン(住之江区)課長の張禎恩(チャンチョンウン)さんは、「2時間で移動できる飛行機とは違って、船に乗った瞬間から旅行が始まったというドキドキが長く持続され、帰りの船に乗ってもまだ旅行が終わらないという余韻に浸ることができる」と話す。19時間の旅が終わると、そこはもう韓国。サムギョプサルやホットクなどのグルメやショッピングを、ぜひ楽しんでいただきたい。