大阪経済大学（学長：山本俊一郎／所在：大阪市東淀川区大隅2-2-8）は、大津市の水泳指導モデル校・大津市立藤尾小学校の授業において、人間科学部・若吉浩二教授が自ら開発した水泳補助具「フラットヘルパー」を使用した安全水泳「大津っ子“大の字”泳法」の実技指導を、2025年6～7月にかけて行う運びとなりましたのでお知らせします。
また6月27日（金）、30日（月）の3～6年生の水泳授業を、報道関係の皆様へ公開します。


■琵琶湖の水難事故ゼロを目指せ!“湖都”大津の子どもに、海より浮きにくい湖の安全泳法を指導
“湖都”大津市の子ども達にとって、琵琶湖は海より身近な遊泳場所です。湖は海と比べ波が穏やかですが、海水に比べ浮力が小さいため浮きにくく、海と同じ感覚では溺れてしまう危険もあります。
また、学校水泳は、教員の指導不安や児童の泳力二極化など様々な問題を抱えています。
このような中、大津市教育委員会・大津市水泳協会・大津市小学校体育連盟が連携し、安全水泳を習得してもらう指導を進めており、本年度はモデル校となる小学校で、若吉教授が開発した「フラットヘルパー活用による学校水泳」の施行がスタートしました。

■ペットボトルの浮力を活用した補助具で、“浮く”感覚を身に付ける「大津っ子“大の字”泳法」
オリンピック水球日本代表で大津市水泳協会会長を務める若吉教授は、大津市の教員を対象とした水泳研修会で実技講師を務めています。2025年5月20日には、若吉教授が開発した「フラットヘルパー」を使用した「大津っ子“大の字”泳法」の指導研修会が大津市の教員を対象に行われました。

5月20日　指導研修会の様子
「フラットヘルパー」は、ネット素材の補助パンツの両側ポケットに、空気の入ったペットボトルを入れて使用し、水難事故から身を守る基本姿勢“大の字浮き”の習得を容易にします。“大の字浮き”は咄嗟にできるようになるには慣れや訓練が必要ですが、フラットヘルパーを使用することで『浮いて待つ』水平姿勢を簡単に覚えることができます。また、海で得られる浮力を児童自ら考えペットボトルのサイズを調整することは、ペットボトルの教材化であり、総合的な学習である環境教育にもつながります。




【6/27(金)、30（月）水泳授業　プレス公開】児童が「大津っ子“大の字”泳法」で浮き・もぐる・伏し浮きを習得。
若吉教授が、水泳研修会に参加した教員と共に、藤尾小学校の3～6年生にフラットヘルパーを使用した安全泳法の授業（約60分）を6月から7月にかけて6日間実施します。また、6月27日（金）、30日（月）の授業を公開。児童は「“大の字”泳法」を実践しながら、浮き・もぐる・伏し浮きの習得を目指します。また、ペットボトルを使い、琵琶湖と海の浮力の違いも解説します。

※多くの地域の小学校で広げていくために、本年度は大津市に続き、大阪府能勢町、和歌山県かつらぎ町でも同様のプログラムを行う予定です。


　　　　　　　　　　　　水泳教室プレス公開　概要
■日　時
2025年6月27日（金） 3・4年生 10:30～11:30、5・6年生 13:30～14:30
6月30日（月） 5・6年生 8:45～ 9:45、3・4年生 10:30～11:30
※気象状況により中止となる場合があります。
その際は取材にお申し込み頂いた方にのみご連絡します。

■場　所
大津市立藤尾小学校（住所：大津市茶戸町10-1）
・京阪京津線「追分」駅徒歩11分

■受講者
6月27日（金）5・6年生 41名、3・4年生 57名
6月30日（月）5・6年生 41名、3・4年生 57名

■指導者
大津市立藤尾小学校 教諭 2名
大阪経済大学 人間科学部人間科学科 教授 若吉浩二

■主　催
大津市教育委員会、大津市水泳協会、大津市小学校体育連盟

■内　容
3・4年生（27日、30日とも同内容を実施）
「フラットヘルパーを使って安全水泳と「大津っ子“大の字”泳法」習得にチャレンジ！」
フラットヘルパーを使い、水泳の基本である“浮く”、“沈む（潜る）”、そして“進む”を 楽しく学ぶ。
　
5・6年生（解説と実践）（27日、30日とも同内容を実施）
「ペットボトル＋フラットヘルパーで環境教育（海と琵琶湖の違い）
＋安全水泳＋「大津っ子“大の字”泳法」習得にチャレンジ！」
琵琶湖と海での浮き方の違いをペットボトル使って再現。

≪フラットヘルパーについて≫
・フラットヘルパーは“正しい姿勢”を覚えることができる水泳補助具です。
・ビート板素材の浮力体を使用します。また、500mlのペットボトルも浮力体として使用可能です。
・クロールの呼吸時が上手くできない、背泳ぎの腰が沈む、平泳ぎのキックが難しい、バタフライの腰が沈み抵抗を受けるなどの姿勢が改善され、泳法の習得に役立ちます。



※写真はビート板素材の浮力体を使用しています。

　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　「“大の字”泳法」について
■プログラム内容
　１.安全水泳（水難事故対策）


・水難事故から身を守る安全水泳の基本技能を習得します。
・『浮いて待て』の訓練を行います。「“大の字”泳法」の基本は“大の字浮き”です。この姿勢は、水への感覚づくりに大変有効であることが分かりました。
・この姿勢を咄嗟にできるようになるには慣れや訓練が必要です。また、この大の字浮きから、安全水泳のための泳法習得に取り組みます。
・また、自然の川や海にはプールのような壁がありません。そのため、浮いた状態で壁をけらずに折り返して、元の位置に戻る練習も行います。
・練習はフラットヘルパーを使用することで水平姿勢を覚えることができます。





２.環境教育


・フラットヘルパーは通常パッドを入れて使用しますが、ペットボトルを入れて装着することもできます。
・一般的にはペットボトルによる環境破壊、リサイクルの現状などを学びます。
・ここでは、総合的な学びとしての環境教育につなげています。ビート板やペットボトルなどの浮力体を使用して、普段なかなかできない、真水と海水（川と海）の浮力の違いを体験します。海水では体重あたり2％から2.5％の浮力を得ます。体重40kgの児童なら約ペットボトル2本分の浮力に相当します。




３.泳法習得
・フラットヘルパーを使用して行います。
・安全水泳の流れで、沈む・浮く、浮き方（伏し浮き⇔背浮き）、移動の仕方（チョウチョ泳ぎ等）、　　　泳法習得を目指します。
・クロールと大の字浮きを交互に一定期間繰り返しながら泳ぐことで、短期間での泳法習得を目指します。
※泳力により、けのびと大の字やクロールと背泳ぎの組み合わせにすることもできます。

■開発　大阪経済大学 人間科学部人間科学科 教授 若吉浩二


　　　教員向け水泳指導研修会で実施したアンケート結果（小学校教員の回答）
【実施日】
2025年5月20日（火）
【対象】
大津市体育実技講習会（大津市教育委員会主催）に参加した若手の教員
または学校水泳の中心となる教員や水泳指導経験の少ない教員
【有効回答】
27名


1.これまで水泳の指導法を習ったことがありますか？




５割以上が
「水泳の指導法を習ったことが無い」と回答





２.低学年、中学年および高学年の水泳授業における自分の指導力や授業担当となる気持ちに対する自己評価



３ー１..中学年対象のフラットヘルパー導入による水泳授業についてお聞きします。中学年対象とした水泳授業として、相応しい内容であると思いますか？



9割以上がフラットヘルパーを導入した水泳授業に賛成


３-２..中学年対象のフラットヘルパー導入による水泳授業についてお聞きします。中学年対象の水泳授業においてフラットヘルパーは、有効な水泳補助具と思いますか？



9割がフラットヘルパーは有効な水泳補助具との意見