「テオ・ヤンセン展」が7月9日、大阪・南港のATC(大阪市住之江区南港北2)ITM棟2階「大阪南港ATCギャラリー」で始まった。
オランダ生まれの造形作家テオ・ヤンセンさんは、1990年から芸術と科学を融合させた巨大な立体作品「ストランドビースト」を制作し、「現代のレオナルド・ダビンチ」とも称される。作品名はオランダ語で砂を意味する「ストランド」と生命体を意味する「ビースト」をつなげた造語。動物や昆虫の形をイメージしたプラスチックチューブの骨格を持ち、砂浜で受ける風を動力に歩行する。
1990年代初期の作品や日本初公開作品など全長10メートルを超えるストランドビースト12点をはじめ、作品に使用する素材や構造の説明、構想スケッチを展示する同展。ヤンセンさんが約30年間にわたり形や機能など、試行錯誤しながら制作を続けるストランドビーストの進化を紹介する。
会場に並ぶストランドビーストは波をよける危機察知や方向転換などの機能を持つ「アニマリス・オムニア・セグンダ」や来場者が押して動かすことのできる「アニマリス・オルディス」のほか、「アニマリス・アデュラリ」「アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ」など3体はエアコンプレッサーで空気を入れ、砂浜での動きを再現(リ・アニメーション)する。
開幕に先立ち8日に開催された内覧会に出席したヤンセンさんは「作品を見る人に幸せが広がれば。ストランドビーストの作り方はインタ―ネット上に公開しているので、作品に触発された人が独自のビーストを生み出し、繁殖させてほしい」と話す。
開催時間は10時~18時。入場料は、一般=1,600円、高校・大学生=1,100円、小・中学生=600円。全作品写真・動画撮影可能。9月25日まで。