大阪南港(大阪市住之江区)と新門司港(福岡県北九州市)結ぶ新造の大型フェリー「フェリーきょうと」が12月16日、就航した。運航は「名門大洋フェリー」(大阪市西区)。
「フェリーきょうと」は、2002(平成14)年から運航する「フェリーきょうと2」の後継船。船体は、全長195メートル、幅27.8メートル、総トン数は約1万5000トン。旅客定員は675人で、車両はトラック162台と乗用車140台を積載できる。同社では、歴代最大級の大きさのフェリーになる。
旧型船(9770トン)と比べ約1.5倍の総トン数だが、定員は17人減らし、ゆったりとした旅客スペースを確保した。ハイブリッド型の推進方式やスクラバーを採用し、大型化したにも関わらず燃料消費量は5パーセント減っている。
船内のデザインは、日本の情緒を感じさせる「古都のたたずまい」をコンセプトに、木を使った装飾を随所に施す。パブリックスペースは、瀬戸内海の景色が楽しめるレストラン(252席)やラウンジ、大浴場をはじめ、女性用パウダールームやキッズルーム、授乳室を導入し、女性や家族連れに配慮した。エントランスホールと乗用車用駐車スペースを同一階にしたことで、車イスやベビーカー、キャリーバックの移動もスムーズにできる。
客室は、個室タイプの「スイート」(2タイプ、2室)、「デラックス」(8室)、「スーペリア」(20室)、「ファースト」(3タイプ、92室)と、相部屋タイプの「コンフォート」(2室)「ツーリスト」(13室)を用意。個室志向の高まりと新型コロナ対策からカーペット敷きの相部屋を廃止し、壁やカーテンで仕切ったプライベート空間にベッドを備えた。
大阪南港・新門司港間の約458キロを約12時間30分で1日2往復運航する。姉妹船の「フェリーふくおか2」も来年3月28日、「フェリーきょうと」と同じ新型の「フェリーふくおか」に交代する。