大正の複合施設「タグボート大正」(大阪市大正区三軒家西1)にある、すし店「未来鮨 江戸前スタンド とろ安本店」で11月17日、ドリンクの注文から提供までをロボットが行うサービスが始まった。運営はCiX(シクロス)ホールディングス(東京都渋谷区)。
コロナ禍で深刻化する飲食業の人手不足の解消を目指し導入。同社が開発したドリンク製造ロボット「Robo-TENDER(ロボテンダー)」とソフトバンクロボティクス(東京都港区)の配膳・運搬ロボット「Servi(サービィ)」を連携させ、注文から提供まで人の手を一切介さない「完全非接触」を実現した。CiXホールディングスの横山創一社長は「それぞれのシステムはあったが、連携させたのは世界初。13社の技術をつなぎ合わせた」と胸を張る。
来店客はスマートフォンを使ってモバイル注文する。注文を受けると、ロボットがグラスを冷やす、氷を入れる、酒を入れる、マドラーで混ぜるなどの工程を経てドリンクを完成させる。出来上がったドリンクを配膳ロボットに移し、テーブルまで運ぶ。ハイボールは約1分20秒で作ることができ、14種類のドリンクに対応する。
横山社長は「これまで料理人の育成事業を手がけてきたが、ロボティクスを活用し、少ない人員で飲食店の運営ができるオペレーションを構築したい。既に全国から導入の引き合いがあり、手応えを感じる。飲食業を日本最大の輸出産業にするために貢献できれば」と話す。