南海電鉄・堺駅前のホテル「アゴーラ リージェンシー堺」(大阪府堺市堺区戎島町4、TEL 072-224-1121)は11月1日より、本を通じたコミュニティ活動「まちライブラリー」の取り組みをスタートした。
「まちライブラリー」は、街のカフェやギャラリー・オフィス・寺・病院などいろいろな場所に本棚を作り、皆で本を持ち寄って共有するプロジェクト。本を読んだ人がカードにメッセージを書き込み、次に読む人に思いを伝えるコミュニケーションプロジェクトで、現在、全国約120カ所にライブラリーが設置されている。
同ホテル広報担当の小田島浩子さんが「料理を題材にした本を元に、(ホテル内のレストランのシェフに)おいしい料理を作ってもらいたい」と考えたところ、「まちライブラリー」の取り組みを知り、同プロジェクトの提唱者・磯井純充さんと出会ったことから、同プロジェクトへの参加が決まった。ホテルが「まちライブラリー」に参加するのは初めて。
認定番号117番「まちライブラリー@ホテル・アゴーラ リージェンシー堺」として、まずは11月30日までの期間限定で、ホテル内のロビー・レストランに書棚を設置、堺や食べ物に関連した本を約180冊並べる。うち約120冊は難波の「まちライブラリー@大阪府立大学」から借り受けたが、残りの約60冊は同ホテルスタッフや、本部スタッフからの提供を受けた。本の貸し出しは行わないが、その場で読むか、宿泊者に限り部屋への持ち込みが可能。
関連企画として、ベーカリー&パティスリー「ファゴット」では本の形のケーキ「Book Cake」(2,916円)を販売。イタリアンレストラン「ラ・プリマ」では絵本「かぼちゃのスープ」にちなみ、コース料理に含まれるオードブル&サラダバーで、カボチャのスープを提供する。日本料理「なにわ」では堺出身の歌人・与謝野晶子の「みだれ髪」の燃え上がる恋をイメージした懐石料理「潮鳴」(4,860円)を提供する。そのほかのレストランでも本に関連したメニューを提供する。
小田島さんは「ホテル名の『AGORA』は、『人が集まる場所』を意味する。堺の人々が集まるコミュニティホテルになりたい」と意気込む。