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大阪・関西万博でトークイベント 横山市長らが閉幕後の「レガシー」語る

(左から)トークイベントに登壇した宮田教授、横山市長、藤本さん、忽那さん

(左から)トークイベントに登壇した宮田教授、横山市長、藤本さん、忽那さん

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 トークイベント「共鳴と森-突き破る塔(1970)から開かれる空(2025)へ」が10月8日、2025年大阪・関西万博内「テーマウィークスタジオ」で開催された。

大阪のまちづくりについて話す横山市長

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 10月13日の閉幕を目前に控えた同万博。シグネチャーパビリオン「Better Co-Being(ベター コ ビーイング)」のプロデューサー・宮田裕章慶應義塾大学教授による司会の下、万博閉幕後に未来へ受け継がれる「レガシー」や未来社会などについて、3つのトークセッションを行った。

 第1部ではイタリア館政府代表のマリオ・ヴァッターニさん、サウジアラビア王国館・メディアディレクターのモハメド・アルダハラウイさんが登壇。会期中何度も芸術作品を新たに展示し連日行列ができるほどの人気ぶりを見せるイタリア館について、マリオさんは「パビリオンを通して、食や技術などイタリアを深く知ってほしいという思いがある。特に若い世代にリアルで芸術作品に触れてもらうことで、その芸術作品が人にどういった影響をもたらしてきたのか知ってほしかった」と話す。

 第2部には、横山英幸大阪市長、同万博会場デザインプロデューサーの藤本壮介さん、同万博ランドスケープデザインディレクターの忽那裕樹さんが登壇。宮田さんは「なんでも面白がってやろうとする大阪の人の力に大変感謝している。分断が進む時代の中で、『人』こそが万博の最大のレガシー」と振り返る。横山市長は「大阪の一番の財産は『人』であるということを、万博を通して世界のみなさんに少し認めてもらえた」とも。「大屋根リング」の構想を担当した藤本さんは「はじめて大勢のお客さんが大屋根リングに入ってきたとき、命が吹き込まれたように感じた」と振り返った。「静けさの森」の設計・デザインを担当した忽那さんは「緑を介して次の景色につながるよう、会場内をデザインしている。パビリオンに行かずとも、会場を歩くだけでも楽しいという声もありうれしかった」と笑顔を見せる。今後の大阪のまちづくりについて、横山市長は「万博で得たことを次に生かしていく。大阪を緑あふれ、若い力が躍動する街にしていきたい」と意気込む。

 第3部では、藤本壮介さん、「Better Co-Being」パビリオンの建築設計を担当した建築家ユニット「SANAA(サナア)」の妹島和世さん、西沢立衛さんらが登壇。これからの都市に必要なことについて問われた西沢さんは「都市は人々の生命の延長といえる。街を作ることは人を守ることでもあり、生きるに当たって必須のこと」と話す。妹島さんは、「Better Co-Being」パビリオンには屋根や壁がないことについても触れ、「建築は雨をカットする構造を考えなければならないが、雨をどうしのぐか考えることで、人自身が自然に対してコミュニケーションを取ることが大事。街づくりにもたくさんの人が関わっていく必要がある」と話した。

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