
海洋保全に関する国際会議「New Ocean Wave」が7月21日、大阪・関西万博のポルトガル館で行われた。
「海、青の対話」をテーマに掲げ、海洋保全や海洋資源の持続可能な開発に関する展示を行う同パビリオンが、「海の日」を記念して企画した。この日は、国連海洋特使のピーター・トムソンさん、笹川平和財団上席研究員の小林正典さん、オセアノ・アズール財団代表のティアゴ・ピッタ・イ・クーニャさんらが登壇し、海洋保全に向け国境を越えた連携の必要性を訴えた。
このほか、海洋資源を活用した化粧品や医薬品などの製品、オセアノ・アズール財団の海洋保護活動の取り組み、ポルトガルのリスボン水族館の海洋教育プログラムなどを紹介。来場者は、リスボン水族館が用意する海洋保護区の海や同水族館の大水槽の中を撮影した様子が見られるVR映像を体験した。
クーニャさんは「ポルトガル館で上映されている映像が訴える『危機にひんしているのは自然や海だけでなく、人類そのもの』というメッセージが重要。現在、海洋プラスチック、海水温の上昇、氷河の融解など多くの問題を抱えている海が、地球全体の未来を表すものだ」と主張。同館ゼネラルコミッショナーのジョアナ・ゴメス・カルドーゾさんは「『海、未来への遺産』がテーマに掲げた1998年のリスボン万博をきっかけに、世界的な海洋保全への機運が高まった。『一つの海』という認識を持つことが大切」と話す。