
紙にCO2を閉じ込めた「未来の紙『OGUNOオリジナルスペシャルペーパー』」が7月2日、2025年大阪・関西万博のEXPOホール「WASSE(ワッセ)」で公開された。
「文房具ソムリエ」の石津大さんが「第3回日本国際芸術祭/大阪・関西万博展」に出展するブースで公開する。CO2を資源ととらえ、再利用する技術「カーボンリサイクル技術」を活用し、環境負荷低減と筆記性能の両立を目指した同製品。奈良の紙メーカー「ペーパル」と大阪のノートメーカー「大栗紙工」、石津さんの3者で企画・開発した。
「ペーパル」の矢田和也さんによると、紙の原料に使う炭酸カルシウムを、国内の工場から出る排ガス由来のCO2とカルシウムを含む産業廃棄物を化学反応して作ったという人工の炭酸カルシウムに代替することで、紙1トン当たり約33キロのCO2を紙の中に固定化を実現。さらに、一般的な炭酸カルシウム製造時の高温焼成工程の必要がないため、紙1トンあたり約97キロのCO2が削減できたという。
大栗紙工の大栗康英社長は「人工の炭酸カルシウムを紙の原料として混ぜ込むことに加え、紙の両面にも塗る工程を加えた。この技術は世界初」と自信を見せ、「今年中には、高級ノートやレターペーパーとして販売する予定」と話す。石津さんは「原料の配合や製造方法など試行錯誤を重ねた。脱炭素社会実現に貢献し、インクのにじみや裏写りが少なく、なめらかな書き心地の『理想の紙』ができた」と振り返る。
開催時間は10時~20時(最終日は12時まで)。7月6日まで。