株式会社Nexa Ware(ネクサウェア)」(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 隆之、以下 Nexa Ware)と、株式会社椿本チエイン(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 兼 COO:木村 隆利、以下 椿本チエイン)は、「物流倉庫向け遠隔フォークリフト操作システム」の評価検証システムを開発しました。
その機能・性能と事業性を検証するため、11月4日から、ロジスティード株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 会長兼社長執行役員(CEO):中谷 康夫、以下 ロジスティード)および三菱HCキャピタル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:久井 大樹、以下 三菱HCキャピタル)と共同で実証実験を開始します。
今回開発した遠隔フォークリフト操作システムは、既存のフォークリフトにセンサやカメラ、アクチュエータなどの遠隔操作ユニットを後付けし、遠隔から操作するものです。
本システムの開発に当たって、ロジスティードが保有する遠隔フォークリフト作業検証による知見と技術検証ノウハウを活用し、同社グループの物流センターにてフィールド実証実験を行います。さらに、三菱HCキャピタルの強みである顧客とのネットワーク力を生かし、今後の事業性評価も実施します。

1.背景・経緯
Nexa Wareとロジスティード、三菱HCキャピタルの3社は、持続可能な物流の実現を目指して、2025年3月に「物流倉庫向け遠隔フォークリフト操作システムの事業化」に向けて共同検討することについて合意し、基本合意書を締結(注1)しました。
3社で物流改革を推進し、慢性的なフォークリフトオペレーター不足の解消、冷凍倉庫などの過酷な作業環境改善と安全性向上による物流業界の魅力向上といった課題解決を図ることがねらいです。
その後、実証実験における技術パートナーとして椿本チエインが参画。Nexa Wareとの共同開発により、評価検証システムが完成しました。
今後、Nexa Ware、ロジスティード、三菱HCキャピタル、椿本チエインの4社で実証実験(以下 本実証)を行い、遠隔フォークリフトの機能・性能、事業性等を評価・検証してまいります。
2.本実証の概要
(1)実施方法
場所:ロジスティード東日本株式会社 館林営業所(群馬県 館林市)
期間:2025年11月4日~12月26日(予定)
評価概要:

(2)本システムの概要
本システムは既存フォークリフトに、センサや複数のカメラを取り付け、遠隔操作を可能にするものです。
運転に必要な各操作レバーを遠隔操作するためのアクチュエータを開発、遠隔操作者による繊細な操作をフォークリフト機体側で再現することで有人と同等の操作性を実現します。
物流現場では、生産現場等に比べて生産性や汎用性の課題から、無人フォークリフトの導入が進みにくい状況がありますが、本システムの活用によって、遠隔地に設置した操作卓から、カメラ映像、センサ情報等を認識しながら、フォークリフトを遠隔操作することで、実質的な無人作業化を可能にします。
(3)本システムの特長
1.柔軟運用が可能なシステム
既存のフォークリフトに、本システムを後付けで取り付ける構造のため、物流センター等で運用しているフォークリフトをそのまま活用できます。
また、本システムは、互換性のある別のフォークリフト機体への載せ替えが可能なほか、機体と本システムの資産管理をそれぞれ個別に行えるなど、柔軟な運用が可能となります。
2.遠隔操作を可能とする、カメラ/ARアシストソリューション
実証実験用に、フォークリフト本体に8個のカメラ、15個のセンサを取り付けています。
カメラの映像、センサ情報を遠隔操作卓で確認し、遠隔操作の安全性を確保します。
また、操作に当たっては、フォークリフト本体の走行方向、貨物との位置関係等をARアシストアプリケーション(注2)を活用してカメラ映像に重畳表示(注3)することで、さらなる操作性の向上、安全性確保を実現します。

3.遠隔操作用アクチュエータユニット
フォークリフトの各操作部に取り付ける電動アクチュエータが、遠隔操作者が行う操作レバーやブレーキペダルなどの微調整が必要な操作を低遅延な通信(注4)とリーダー/フォロワー制御(注5)によりリアルタイムな遠隔操作を再現します。また、フェイルセーフ(注6)となるシンプルな機構やモータ制御により、システム全体で安全性も確保しています。

(4)各社の役割・本実証実施体制

3.今後の予定
本実証を通じて遠隔フォークリフト操作システムの機能・性能、事業性評価を行い、並行して2号機開発も行うことで、2025年度中のトライアル販売、2026年度中の商用販売開始を目指します。
【動画】本システムの説明、動作状況を動画でご紹介いたします。
https://www.youtube.com/watch?v=IlkdsMgWGoo
(注1)2025年3月27日プレスリリース
「物流倉庫向け遠隔フォークリフト操作システム事業化」に向けた基本合意書を締結
https://nexaware.com/post-234/
(注2)ARアシストアプリケーションのソフトウェアは株式会社日立製作所 研究開発グループが開発したものです。
(注3)フォークリフトに設置したカメラの映像に対して、方向や貨物との位置関係をAR(Augmented Reality)を重ね合わせて表示することで、遠隔操作をサポートします。
(注4)低遅延な通信:データが送信元から受信先に届くまでの時間の遅れを抑える通信方法
(注5)リーダー/フォロワー制御:「リーダー」が動作を行うと、それに従って「フォロワー」が協調して動作する制御方式
(注6)フェイルセーフ:設備の故障が発生した際に安全側に動作すること
【参考】
・株式会社Nexa Ware(ネクサウェア) https://nexaware.com/
・ロジスティード株式会社 https://www.logisteed.com/jp/
・三菱HCキャピタルグループ https://www.mitsubishi-hc-capital.com/
・株式会社椿本チエイン https://www.tsubakimoto.jp/
■商品に関するお問い合わせ
株式会社Nexa Ware セールスエンジニアリング部
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