大阪市西成区に本社を構える株式会社大阪送風機製作所(代表取締役社長:枩山聡一郎)は、中小企業ながらも製造業の現場からGX(グリーントランスフォーメーション)と環境経営に挑み続けてきました。
このたび、当社の取り組みが高く評価され、経済産業省が2025年6月に発行した
「ものづくり白書2025年度版」に掲載されました。加えて、7月25日発行の日刊工業新聞にも紹介され、技術と環境の両面から社会的な注目を集めています。
掲載は、全国数万社に及ぶ中小製造業の中でも極めて限られた事例に与えられるものであり、
国の政策ビジョンと合致した先進企業としての評価を意味します。
1. 「ものづくり白書」とは?
「ものづくり白書(正式名称:製造基盤技術振興施策に関する年次報告)」は、日本の製造業に関する動向・課題・展望を体系的にまとめた国家戦略文書です。経済産業省が国会に提出する唯一の製造業年次報告であり、その掲載企業は“国が認めた先進事例”として信頼性が担保されます。特に2025年版では、「GX」「人材育成」「生産性向上」が重要テーマとなっており、それらに資する具体的な取組として当社が選出されました。【掲載ページ】ものづくり白書2025年版 P169
URL https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2025/pdf/all.pdf#page=169
2. 大阪送風機製作所が選ばれた理由
当社は、産業用送風機の設計・製造を通じて、以下の3つの革新に取り組んできました。
1. GX対応製品の開発
環境負荷を定量的に評価できる手法:ライフサイクルアセスメント(LCA)を主力製品であるEGRブロワに適用し、その算定結果から次世代機を設計しました。高効率ファンや軽量化、設計の改善により、大幅な省エネおよびCO2の削減効果が見込まれます。現在、実証実験をすべく試作機を製造が進んでいます。
2.現場主導の効率化
会社のありたい姿を考えるバックキャスト的な発想から、社員が改善提案を出し合う「ボトムアップ型改善」に繋がりました。個々の力が組織全体の推進力になっています。
3. 中小企業による脱炭素モデルの実践
製品のみならず、サプライチェーン排出量の算定を実施しました。複数年次を対象に見ることで、経年変化や傾向を把握し、削減のポイントを検討しました。また、製品の新しい価値を定量的に可視化し、環境と経営が両立できる形を模索しました。このように、中小企業でもできる「GXの第一歩」を示しました。これらの実践が、「現場発のGX」「実行力ある中小企業」という点で白書の趣旨と合致し、掲載に至りました。
3. その他の動き:本社工場の100%再エネ化
当社ではサプライチェーン排出量の結果を鑑み、2025年より、本社工場の一部の電力を100%再生可能エネルギーへ切り替えました。これにより、年間188,768キログラムのCO2排出削減を見込んでいます。その他の電力につきましても、逐次再生可能エネルギーへと切り替えて参ります。
4. 今後の展望
1. 製品LCAの横展開とクライアント企業様へのサポート
当社は主力製品のみならず、その他の製品群に対してもLCAを実践してまいります。ESGや非財務情報がより付加価値を持つ昨今において、積極的にクライアント企業さまのサステナビリティ強化に協力して参ります。
2. 新製品および領域への開発・コラボレーション
当社ではこれまでに培ってきた技術や知見あるいは人脈を基に新製品開発に力を入れていきます。これまでにない用途や性能へのニーズに柔軟に応える製品設計を目指して参ります。「こんな風に使えたら」「こういう悩みがある」といった声をぜひお聞かせください。
「排ガスを資源に変える、循環の知恵」
「一筋の火花に技が宿る」
「匠の手が、鉄を命ある形へと変える」
社名 株式会社 大阪送風機製作所
(英文表記:OSAKA BLOWER MFG. CO.,LTD.)
所在地 〒557-0062 大阪市西成区津守2丁目1番41号
創業 1919年(大正8年)5月
資本金 41,050,000円
代表取締役社長 枩山 聡一郎
従業員数 91名(2023年4月1日現在)
事業内容 船舶用・産業用送風機の設計・製造・販売・メンテナンスおよび関連事業
企業サイト URL https://www.osaka-blower.co.jp
お問い合わせ先担当:鎌尾、坂井
TEL:06-6561-0701(代表)