
2025年大阪・関西万博の会場(大阪市此花区夢洲)のシンボル「大屋根リング」が3月4日、「最大の木造建築物」としてギネス世界記録に認定された。
建築面積が6万1035.55平方メートルあり、木造建築として建築面積が世界最大と認定された「大屋根リング」。全周約2キロ、幅約30メートルのリング状の構造で、高さ約12メートルと約20メートルには会場や瀬戸内海を見渡せる遊歩道「スカイウォーク」を設ける。京都・清水寺の舞台など神社仏閣に用いられる伝統的な「貫(ぬき)接合」に現代の工法を組み合わせて建築した。使用する木材は、7割が国産のスギやヒノキで、3割が外国産のオウシュウアカマツ。2023年6月に着工し、2月28日に完成した。
同万博の会場デザインプロデューサーの藤本壮介さんが「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインの理念を基に構想した。当日の朝、会場内で行われた認定証の授与式に登壇した藤本さんは「日本が1000年以上の歴史を誇る伝統な木造建築と現代の技術を組み合わせることで、持続可能な社会にふさわしい新しい工法として未来に向け木造をよみがえらせている。世界最大の規模で、日本から誇りを持って世界に発信することができる」と話した。