ホテル大阪ベイタワー(大阪市港区弁天1、TEL 06-6577-1111)の飲食店で、調理長らが手作りした難波津焼の皿で来店客を出迎える取り組みが行われている。
今回皿の手作りに挑戦したのは、「日本料理 磯風」の甲谷清隆調理長と、「鉄板焼 瑠璃」の山本健調理長。6月中旬に粘土をこねるところからスタートし、7月には塗る釉薬を選び、自分で塗装した。一部は店舗スタッフも協力し、「日本料理 磯風」の小皿60枚と、「鉄板焼 瑠璃」の大皿30枚を作り上げた。使用した土は大阪湾ベイエリアの開発中に掘り出された海底粘土で、これを生成したものを「難波津焼」と呼ぶという。
「ほぼ初めての体験だったので試行錯誤しながら作った」と笑う甲谷調理長。「自分で形から色までデザインしたことで料理への視点が変わった。大阪の粘土で作った皿と、関西近隣の食材を使った料理の地元同士のコラボレーションを見せたい」と意気込む。スタート以降、この皿をきっかけにした来店客とのコミュニケーションも増えたという。
同ホテルでは、関西の地産の食材を使った秋の味覚を提供する「難波津フェア」を11月30日まで開催。製作した皿は、2店舗で今後も継続して使っていく。「一つとして同じ形がない手作りの皿を、料理と一緒に楽しんでほしい」と呼び掛ける。同ホテルマーケティング室長の秋田保さんは「大阪の外から訪れる人が多いこのホテルで、難波津焼を通して大阪の土地をより深く知ってもらいたい」と期待を込める。